Chronicle of Lives

「暮らしのクロニクル」@應典院 企画書

 

*企画の目的とねらい

大阪市慶典院ならびに檀家など地域住民との協働作業

本企画では、個々のライフヒストリーを演劇において語り直し、それらをつなげ、編み直していくことで、ひ とりひとりの参加者には「たましい」に対するケア、エンパワーメントの機会を提供し、また地域コミュニテ ィに対しては「街」の記憶を再現し、上演を通じて、保存する/生き直す?機会を提供することを目指す。そ れらの試みは、言うまでもなく応用演劇の実践の目指すところでもあるが、同時に地域コミュニティの結節点 としての寺院の役割に合致するものであり、また、過去の物語を紡ぎ直し、現在に表現し直すという行いは過 去から未来へ至る時間の結節点としての寺院、此岸と彼岸を結びつける場所としての寺院の役割にも合致した ものであると考えられ、以上のような理由から、應典院において応用演劇の実践を行うことには大きな意義が あると考えられる。

 

 

*進行と展開

2017 年度に数回にわたり、本企画のパイロット版を実施し、それを受けて、2018 年度には企画を本格稼働 させ、芸術文化振興基金の助成金を受けることを目指す。また単年度で終わらせるのではなく、複数年度にわ たって続けていくことで、ワークショップの実践を根付かせると共に、定点観測的ひとびとの物語と街の記憶 を上演し、アーカイブしていくことを目指す。

 

*具体的内容(実施例)

「暮らしのクロニクルβ 2017 第1期 出会いと別れについて考える」(計3日) <第1日>10:00-16:00

・私̶あなたのエチュード ・歩く:色々な仕方で、立つ、座るも。お互いにそれを見てみる。

椅子を使う、布、紐なども介在させてみる ・ポーズで物語をつくる(タブロー):

二人組で、三人組で、五人組で。さまざまな場面を身体でつくりだしてみる (シェイプの発展形、先にシェイプからやってもいいかもしれない)

・ポーズしりとり ・「出会いと別れの私のクロニクル」を書いてみる ・その分かち合い

<第2日>10:00-16:00

・信頼のエチュード ・コロンビアの魔術(演劇的なワーク)

・番号順の権力者 ・もう一度「歩く」から街の風景を立ち上げてみる ・私̶あなたのエチュードの展開 ・「私のクロニクル」からいくつかの場面をつくってみる。

会えなかったひとやことについて話し合ってみる。 どうなれば幸せだったか、どうだったら嬉しかったか、演劇ワークショップのなかで 自分はそのできごとをどのように扱いたいのか。

・出会えなかった→出会う 別れ→再会 の演劇づくり 上演とつくりなおし

<第3日>10:00-16:00

・声と歌の実験 ・何か歌をうたってみる(「いつも何度でも?」) ・発表作品の構成について考える→練習 ・午後:発表会をする。お客さんにもみてもらう ・わかちあい、全体のふりかえり